認知症

認知症の症状について

大別すると2つの症状があります

認知症を発症すると様々な症状を引き起こしますが、場合によっては家族だけでなく周囲の人にも迷惑だと思われてしまうような症状を引き起こす場合があります。
きちんと理解したうえで適切な介護を実施するためにも、認知症の症状にはどのようなものがあるのか確認しておくことが大切です。
認知症の症状は大きく分けると中核症状とBPSDと呼ばれるものがあります。

中核症状とは

認知症患者の方に共通して見られる症状が中核症状になります。
この特徴として見られるのは主に3つで、物忘れをはじめとした記憶障害や今日が何月何日なのか、自分がどこにいるのか理解できないなどの見当識障害、更に的確な判断ができなくなる判断力の低下が見られます。
これらの症状が顕著に見られるようになると認知症の症状が進行していると考えることができます。

よく見られる症状の具体例としては、さっきも同じ事を言っていたのにまた同じ事を繰り返して言っているという行動や、ほんの少し前に食事を摂ったばかりなのに食事をしていないと訴えてくるなどの行動が見られる場合には認知症が疑われるため早めに医師の診察を受けなければいけません。
この程度であれば人に迷惑をかけるような行動ではありませんが、外出したまま帰り道がわからなくなったり、ガスの火をかけたまま外出してしまうような行動をすると周囲に迷惑をかける可能性もあるため、しっかり介護していなければいけないと考えられます。

BPSDとは

認知症の行動と心理状態という意味の言葉から頭文字を取ったもので、中核症状に対して周辺症状と呼ばれるものです。
認知症が原因になって明らかに異常な行動をとるようになるため、行動障害とも呼ばれています。
BPSDは日常生活に支障をもたらす問題行動が目立つようになるため、家庭で介護をする際には大変な苦労を伴う可能性があります。

例えば理由もなく大声で怒鳴るような行動やいきなり暴力をふるうようになると、家族だけでなく全く関係のない人に対しても問題行動を引き起こす可能性が高くなります。
家の中を徘徊するだけならまだしも、ちょっと目を離してしまった隙に外へ出てしまい徘徊して交通事故に遭ったり、自分がどこにいるのかわからないとか自分の名前もわからないため家族の元に帰ることができなくなるというケースもあります。
このような行動が目立つようになると、つきっきりで介護をしなければならないことも考えられます。
昼夜を問わずに問題行動が現れると、介護をする側は体を休める時間が無くなってしまうため、大きな負担がかかってしまうのです。

BPSDは寝たきりや家に閉じこもりがちな方によく起こりやすいと言われており、周囲との人間関係があまり良くない人にもよく見られると言われています。
介護をする際にはこれ以上悪化させないためにも、適切な対応を心がけなければいけません。