床ずれはどうして起きる?その原因

長い闘病や介護の中で起る床ずれ

今現在、介護が必要となるご家族がいないとしても、この先、ご両親、義理のご両親、またパートナーなど、介護が必要な状態となってご家族が介護する場合もあるでしょう。
長く臥せっている方がいる、また寝たきり状態になり介護が必要というご家族がいる場合、多くのご家族、また介護されるご本人の悩みに「床ずれ」があります。

長く寝ている状態が継続する場合、定期的に寝ている人の姿勢を変えるという事が必要となりますが、こうした事を行っていても、床ずれが起きてしまう事もあり、介護の現場、医療の現場で床ずれという問題は非常に深い問題なのです。

放置すれば悪化の一途をたどる床ずれ

床ずれは傷の一種、褥瘡と呼ばれる状態です。
通常、肌の表面などにできた傷は治りますが、床ずれの場合、床ずれになってしまった原因を探しその状態を排除しない限り治る事はなく、そのまま放置すれば悪化の一途をたどります。

初期は肌が赤みを帯びてかゆみを感じるという程度なのですが、この状態ですでに床ずれになるリスクがかなり高いという状態です。
ここからどんどん進行し、時には骨が露出してしまう事もあります。
床ずれから感染症になってしまう事もあり、しっかりと治すこと、改善する事が求められる状態なのです。

床ずれになってしまう要因とは

床ずれは寝ている時の自分の体重で皮膚が圧迫されることで起ります。
気が付いていないのですが、私たちは夜寝ている時、自然と体を20回以上寝返りし、同じ場所に負担がいかないように眠っています。
しかし高齢になると筋力が低下し、自分の身体を動かす事が出来なくなり、寝返りしなくなります。

寝たきりという状態になれば誰かの力を借りない限り、体位を変えるという事が出来ませんので、常に同じ場所が布団、マットレスなどに接し圧迫された状態になります。
その箇所、皮膚はずっと圧迫されたままになりますので、血液の流れが悪くなり細胞が死んでいきやがて床ずれという状態になってしまいます。

年齢を重ねると人の体内は衰えが出てきます。
これは筋力や関節などの痛みを感じる部分以外、皮膚も変わってきます。
弾力があり瑞々しかった肌がやがて、重力に負けるようになりますし、たるみを感じるようになっていきますが、こうした肌は見た目に変わったというだけではなく、組織としても老化しているため、肌そのもの薄くなっているのです。

若い時にはすぐに回復した傷なども、年齢を重ねるとなかなか治らないと感じるようになりますが、高齢、寝たきりとなっている方は新陳代謝も非常に悪くなりますので、皮膚が弱く傷つきやすくなり、床ずれを起こしやすいのです。

抗がん剤、ステロイドなどの副作用がある強いお薬を利用しているとお肌が弱くなりますし、食が細い、また抗がん剤などの影響で吐き気などがありうまく食事が出来ないという事で、栄養失調状態となり体脂肪が少なくなると、骨が直接マットレスに当るような状態になり、皮膚も弱っているので床ずれになりやすいという事もあります。

床ずれを作らないために

介護される方は日中も忙しく、介護支援をお願いしていてもなかなかしっかりと休むという事が出来ない状態です。
夜間は疲労からかなり眠気を感じますし、夜起きるという事も辛いと思うのですが、床ずれは定期的に体位を変えるという事が何よりの予防になります。
夜起きるのはつらいのですが、床ずれができるとご本人は非常につらい状態となりますので、床ずれを作らないという事が何よりです。

また床ずれが出来ないように、しっかりと栄養補給してもらうという事も大切です。
痩せてしまうと床ずれができやすくなるので、栄養バランスのいい、介護される方が食べやすい食事を心がけ、栄養をしっかり補給してもらうということも重要な事です。