介護生活を快適に!介護用の椅子の種類と選び方について

バリエーションの多い介護用のイス

一口に介護用のイスと言っても使用のシチュエーションによって「リビング・ダイニング用イス」「玄関で使うイス」「浴室で使うイス」の3つのタイプに分類できます。
それぞれの使用シーンに合ったイスを適切に選択して、少しでも生活の質を高めるようにしましょう。

3つのタイプのイスの特徴

1.リビングやダイニングで使用するイス
要介護者がくつろいで読書をしたり、TVを楽しんだり、食事をしたりする際に使用しますが、特に食事はテーブルの高さとの兼ね合いで使いやすいモノを選びましょう。
背もたれの角度調節が可能なタイプや高さを変えられるタイプなど多彩な機能を備えた製品が用意されています。

2.玄関で使われるイス
玄関で使うイスは、外出に際し靴を脱ぎ履きするために座るものです。
これを用いる事により、座った姿勢からの立ち上がりが容易になり、前かがみになってもバランスを崩さず靴を脱ぎ履きしやすくなります。
玄関が狭くても、折りたたみタイプを選べば邪魔にならずに収納できます。

3.浴室内で使うイス
浴室は床が濡れていて滑りやすく、家の中で転倒のリスクが最も高い場所です。
安定して座れるシャワーチェアなどを用いれば、脚力が衰えてきても不安を感じずに体や髪を洗う事が出来ます。
身体の安定度に応じ様々なモデルがあり、背もたれが付いたタイプや左右のバランスが不安でも安定感があり安心して座れる肘置き付きタイプなど状態に応じて選びましょう。

介護イスに装備される様々な機能

介護イスには要介護者の状態をサポートして生活の質(QOL)を高めるため、また介護者の負担を軽くするためにさまざまな機能が装備されたものがあります。
1.高さ調整機能
この機能は、要介護者の身体状況や食卓との兼ね合いなどのため、座面の高さを調節出来る機能です。
足の底全面がきちんと床につく高さが安定した座位を保つためには重要ですが、身長は個人差があるため調節が必要なのです。
座面の高さが不適切な場合、要介護者は不安定な姿勢を強いられ、転倒リスクが存しますが、要介護者が安定した座位をとれると、安心して座ることが可能になるのです。
また、座った状態で体の特定部分へ負担がかからず、体重が分散できるようになります。
電動式のイスを選べば、介護する側の負担も減少します。

2.リクライニング機能
背もたれの角度を調節する機構の付いたタイプで、傾斜角が段階的に定まったものや無段階に好きな角度が選べるものなどさまざまなタイプがあります。
要介護者は、長い時間同じ姿勢を保つのに苦痛を感じる方も多いですが、リクライニング機能があれば、長い時間くつろぐことが出来ます。

3.立ち上がり補助機能
足腰が弱り、立ち上がりが困難になった際にサポートしてくれる機能で、立ち上がりにさいして座面が上がって立ちやすくなります。
介護者が力をかけて、抱き抱えるようにして立ち上がらせる必要はいらず、介護負担の軽減に役立ちます。