便秘

高齢者は便秘になりやすい?

高齢者によく見られる症状

介護をしていると高齢者の体調管理をしっかり行う必要性を感じる場面が多くありますが、特に配慮が必要とされているのが便秘についてです。
高齢者は便秘になりやすいと言われていることから、介護を行う際に十分注意しておくべきです。

便秘になりやすい原因

高齢者になると便秘になりやすいと言われているのは、スムーズな排便を促す生活環境とかけ離れてしまう事が多いからです。
スムーズな排便を促すためには、規則正しい食生活と適度な運動をすることが基本になりますが、日頃から栄養バランスが良くない食生活を続けていて、特に消化しにくい食べ物を多く食べている方や野菜や海藻などをあまり食べていないため食物繊維が不足しがちな方などは特に便秘になりやすいと考えられます。
体が不自由になるほど運動不足になるため、腸の動きが鈍くなってきて排便が促されないことも原因になります。

若い頃から便秘気味だったという方は、高齢者になると便秘になりやすいとも言われています。
今までスムーズな排便習慣が身についていないため、年齢を重ねると余計に排便しにくい体質になってしまうようです。
また、排便したいと思ってもタイミングが悪くてその時に排便できなかったという事が続くことも原因になりやすいです。
体が不自由になると介助を受けなければトイレに行けないため、排便したくてもできないという事が続くことになります。

確実に便秘になると言われているのが、寝たきりの状態になった時です。
自分の意思で体を動かせない状況になると、排便したいと思ってもすぐにトイレに向かえないため、おむつをはいたまま排便することになる方も多いです。
人間は座った状態で排便するのが通常の仕組みであるため、寝た状態で排便するのは恐らく自然に排便しているという状態ではなく便秘になっていると考えることができます。
寝たきりの状態で排便する状態が続くなら便秘を改善させるのが難しくなるとされています。

薬の飲み方には要注意!

便秘であることを医師に相談すると、下剤が処方されて服用するように指示される場合が多いです。
どうしても排便できない場合には下剤の力に頼らざるを得ないことになりますが、下剤の力に頼り過ぎると排便リズムが乱れてしまい自分の力で排便しにくくなるのです。
便秘と下痢を繰り返す状況になり、高齢者の体力を無駄に奪ってしまう場合もあるので注意が必要です。

寝たきりの状態で便秘になっている場合には、介護が大変になるかもしれませんが座って排便を促すように心がけることが大切です。
可能な限り薬の力だけに頼らないようにして、自然な排便を促すことが重要だと考えられます。
便秘で苦しい思いをしている高齢者の気持ちをよく考えてあげることが、介護を行う立場として忘れてはいけないことです。