温かくなるこの季節は食中毒に注意!

介護する側が気を付けなければならない食中毒の予防について

冬場はノロウィルスの驚異があり、インフルエンザも猛威を振るう季節なので、手洗い、うがい、マスクなど、介護を行っている人は要介護者に病気をうつさないことにとても気を使います。
風邪から肺炎などに移行しやすいという事もあるので、介護という現場ではちょっとした病気、また感染性の病気などには特に注意が必要なのです。

冬場から暖かくなっていく季節にも気を付けなくてはならないことがあります。
特に夏場になるとニュースでも取り上げられる機会が多くなる食中毒は、免疫力、抵抗力、体力共に落ちている高齢者にとって命とりとなりかねない怖い症状です。

介護する側はこうした食中毒の危険性をよく理解し、予防に努めることが要介護者を守る事につながります。

食中毒を起こさないために何が必要なのか

直中毒を起こさないために最も重要な事、それはもちろん、食中毒の原因となる菌を付けないという事です。
その為に、手洗いについても薬用せっけんや抗菌効果の高い石鹸などを利用し、指先、爪の部分、指のしわや手の甲などについても丁寧に洗い、最後にしっかりと流水で丁寧に流します。

手を洗うタイミングですが、トイレの後はもちろん、外出先から帰宅してすぐ、手を洗う、うがいを行うという事、食事の前も手がきれいであっても、要介護者に対して食事支援を行うのですから、念のため手を洗います。
動物も菌をもっていますので、動物に触れた時も必ず手を洗うようにします。
いつというタイミングはここだけに限らず、掃除をした後、要介護者の下のお世話をした後など、何かしたら手を洗うという習慣をつけておく、また手軽に殺菌消毒できるスプレーなども市販されていますので、そうしたものを身近においておくというのもいいでしょう。

また手を拭くタオルですが、このタオルの交換を怠っている方も多いので、少なくとも、1日1回、タオルを交換し、毎日清潔な物を利用するようにしましょう。

調理器具も菌が付きやすく、また繁殖しやすい場所なのでまな板、包丁、布巾などきれいに殺菌する事が大切です。
肉、魚用のまな板と野菜用のまな板と分けて利用する、包丁、まな板は丁寧に洗い、最近は台所用洗剤で除菌効果のあるものがありますので、夜塗布しておき翌日きれいに洗い流す、また日頃からまな板、包丁などを十分に乾燥させる癖をつけておきます。

菌を増殖させないためにできること

菌を増殖させないということも食中毒を予防する大きなポイントです。
生鮮食品など購入する時、帰宅までに時間がかかるというようなら必ずクーラーボックスに保冷剤をたくさん入れてそこに生鮮食品を入れて持ち帰る様にします。
出来れば、お買い物をしたらすぐ帰宅し、冷蔵、冷凍が必要なモノはすぐ冷蔵庫にしまうという癖をつけてください。

肉、魚などはビニール袋に入っていても、周囲に脂、汁などがついてしまう事もあるので、冷蔵庫に入れる時にはもう1枚ビニール袋に入れて、野菜などに付着しないように保管すると安心です。
またせっかく冷蔵庫に生鮮食品類など冷蔵、冷凍が必要なモノを入れても、冷蔵庫が冷えない状態になっているようでは困ります。

夏場は特に温度設定を少し下げておかないと十分冷えないというくらい、外気温、室内温が高くなることも多くなっているので、冷蔵庫に物を詰め込みすぎとならないようにすることも考えておくべきです。
設定温度として冷蔵庫は4度以下に保てるように設定し、冷凍庫はマイナス15度に保てるようにすべきです。

最近は食品の包装がしっかりしているし、ちょっとくらい大丈夫だろうと賞味期限、消費期限を守らない方もいますが、免疫力や抵抗力が落ちている高齢者は、他の方が平気でも具合が悪くなる、あたる、という場合もあります。
消費期限、賞味期限をしっかり守りまた、一度回答した食品を再度冷凍して利用するという事も避けましょう。

菌を殺菌するために知っておきたいこと

最も菌を効率よく殺菌する行為としては、しっかりと熱をとおすという事になります。
体調が悪い、免疫力が低下している高齢者などはちょっとした菌でも症状が重症化する事もあります。

生食を避け、野菜なども温野菜にしていただくように心がけることも考えなくてはなりません。
生肉にはO157、サルモネラ菌などがあり食中毒症状を起こす可能性があります。
生卵はサルモネラ菌がありますし、魚介類などは腸炎ビブリオの可能性もあります。

食中毒はちょっとした油断や、慢心から起きることも多く、この位大丈夫だろうという考えから重篤な症状を引き起こすこともあります。
要介護者の食事はもちろん、介護する側が健康でなければ要介護者もご家族も困ってしまうのですから、殺菌、消毒、菌を付けないという事をどの季節も考えて行動すべきです。